きらめきの里・園だより 2021年3月号より
2021.03.26

きらめきの里・園だより  ≪エピソード集≫ 3月号より

 2020年度の療育日は、園開放日を含めて、残すところ23日、卒園式までは18日となりました。
 皆様には、楡の会の療育についてご理解ご協力を頂きまして、本当にありがとうございました。
 『好い事作り療法』は、お子さんの安心を作り、お子さんの好ましい行動を育てる心理療法的子育ての方法です。
 これからも、保護者の皆様が『図星を言う → 提案する → 上手く乗せちゃう!』の方法で子育てを続けて、親子共に満足を得ながら、安心して幸せに過ごされますことを願っています。

★★★今月のエピソード★★★

★行動には理由がある!と考えて~見守り待つ事が大事!!

 時計がブームのAくん。以前、クリニックの時計を見てから、それを見に行くのが楽しみになりました。

 好きな物や趣味があるのは、とても好い事なのですが、単独通園の日に職員がAくんの求めに応じて通園棟を出て、毎回クリニックに見に行くことはとても難しいので、あれこれ代替え案を考え、ある日、Aくんの図星を言った後に、リラックマの部屋(通園棟の相談室)の時計を見に行く事をAくんに提案しました。

 Aくんが代替え案に乗ってくれたので「時計を見に行くのは1回です。クリニック行くのはお休みです」と、行く前にアナウンス(約束・想定内を作る)してから、一緒に行きました。

 リラックマの部屋に入り、時計を手に取り裏のつまみを回して自分で針を動かすAくん。
 「Aくんは、何がしたいのかな~」としばらく見守りつつ待ちました。

 Aくんは時計の針の位置を『1:10』にセットすると、とても満足気な表情を見せたので、「時計を1時10分にできたね。あ~良かった、思い通りになって安心したね」と(満足を作る)声掛けをしました。その後、自分の思いが通じて安心、満足できたAくんは、機嫌よくホールに戻ることが出来ました。

 Aくんは、今も1日1回、一緒に時計を見に行き自分で『1:10』にセットすることを楽しみにしています。

 決まった時間に決まった事(好きな事)が出来るのは、満足と共に安心(思った通り・期待通り💛)を作ります。

 子どもがやってみたいと言う行動の中には、大人にとってはやって欲しくない(それは触って欲しくない、壊してしまったら困るな)と考えてしまう事もありますが、先ず、「子どもの行動には理由があるはず。何がやりたいのかな?」と見守りながら待って見る!!その余裕、時間の中で、子どもの思いに気が付いたり、分ってあげることが出来るんだよな~と改めて実感しました。

 Aくんは、自分のやりたい事を分ってもらえた!やりたいことが出来た!と言う満足感を得ることができ、自分の思いを分ってくれた人を信頼できたので、こちらの話しに耳を傾けてくれた=聞く耳が出来たという事になります。

 これからも、見守り待つと同時に、積極的に子ども達の満足作りを行っていきたいと思います。

高野 里美

 

★直ぐに“否定しない声掛け”に変えたパパ!すごい!

 トイレットトレーニングも、職員とのやり取り遊びも順調になってきたBくん。

 ママは、自分が頑張って実践している『好い事り療法』をパパにもわかって欲しい!と考えて、楡の『読本Ⅰ・Ⅱ』の中で、特に読んで欲しい部分をチェックした上で、パパに読本を読むように勧めました。

 パパは、読んだ後「今まで、全部反対の事やってきたんだね」と言って、その日からBくんに『否定しない声掛け』を実践しているそうです!(担任も私も大感動です)

 「読本Ⅲも読んでみたい!」とおっしゃるママに、読本Ⅲを貸出し中です。
 Bくんのママとパパ最高に素敵です!

※ 購入前に、読んでみたい方は、貸出し致しますので、田野に声を掛けてください。

 『子育て親育ち読本Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』は、アクト棟2階事務室でお買い求めになれます。
 子育ての指南書としてお勧めします。

≪卒退園児さんのママ、パパ・・・≫
 毎日の母子通園に始まって、今まで本当にお疲れ様でした。
 卒園式までの残り少ない日々を、お子さんと一緒に楽しく過ごして下さい

臨床発達心理士 田野準子