きらめきの里・園だより≪エピソード集≫2019年6月号より
2020.05.27

臨床発達心理士 田野準子

新年度がスタートして2ヶ月。我が子の目を見張る成長を実感しながら、過ごしているママも多いと思います。主に新入園のお母さんを対象とする勉強会は、2回目を終えて、今月あと2回予定しています。

ママにいっぱい受け止められ、待ってもらい、褒めてもらい・・・満足・達成感を作ってもらう経験を積んできだお子さん達は、確実にママの提案に応じることが多くなっています。

自我の育ちの時期、お子さんが様々な葛藤を乗り越えて健やかに成長できるよう、ママとパパの子育てが、今よりもっと楽しくなるように応援しています!

★★★今月のエピソード★★★

1・公園遊びを楽しみに登園したAくん。・・・何と雨天の為、前日アナウンスされていた活動が変更になり、Aくんは『今日の活動』のボードを見て「公園の写真でない!予定と違う!」と怒り、気持ちの立て直しがなかなかできませんでした。

そこで、翌日から、担任は外遊びの活動予定の前日は、降園前に、次の日の雨天と晴天時の2パターンの活動をアナウンス(+実物や写真提示)する事を試みました。

その結果、登園後、悪天候で『今日の活動』のボードが大好きな外遊びではなく、粘土遊びになっているのを見てもAくんは怒ることなく、楽しく活動ができました。

『〇か△かどちらか』~と、両方のアナウンスをした事で、Aくんにとっては両方とも、どちらでも『想定内』の事になり「本当は〇したいけど、△でもまあいいか」と納得(自己説得)ができたのでした。

※「○or△」のアナウンス=見通しが持てる➡想定内=安心➡自己説得

2・楡に通うお子さんだけでなく、全てのお子さん・・・だけでなく私達大人にとっても『分ってもらえている、受け止めてもらえている=愛されている』と実感できる事は、大きな喜びであり、安心と幸せに繋がります。

そして、それが『頑張ろう!』という意欲に繋がります・・・。

1年間母子通園を頑張り続けてきたママの努力に応えるように、ぐんぐん成長を見せてくれている通園2年目のAくん。

手遊びや体操がとっても上手になり、お家でもママの真似をして口紅をつけようとしたり・・・そんなAくんの成長を実感して嬉しく思っているAくんのパパが、ママに・・・「1年間頑張ってくれてありがとう・・・これからも、また1年間よろしくね・・・」♥♥♥と言ってくれたそうです!

Aくんは3人兄弟・・・みんなと一緒にゆっくりご飯を食べる時間もなく、台所でつまんでおしまい~なんて事だってあるとっても忙しいママの毎日・・・

でもそんなママの頑張りをちゃんと見てくれていて「ありがとう」を言ってくれた!パパは、精いっぱい頑張っているママの事を『分って、受け止めて、言葉にして伝えてくれた』・・・まさに受容!

・・・このパパからの素敵な言葉で、ママは今年も1年、頑張ることが出来ると思います。ママ、幸せだね~(涙)          (上記Aくんのママのお話でした♥)

3・楽しい時も、嬉しい時も、全力で駆け回りたくなってしまうBくん。

喜びを全身で表現する姿はとっても子どもらしい!!・・・でも、興奮して周りが見えなくなり人とぶつかったり、勢い余ってお友達を叩いてしまったり・・・危険なので困る~とママからの相談。

「嬉しい気持ちの表現を危険のない別の形にできるといいね。ママと喜びを共感できるとBくんにとっては一番幸せだから、誰にもぶつからないように部屋の隅の方に誘って、ママがBくんと手を繋いで「嬉しいね!」と一緒に喜び飛び跳ねる事が、代替えの行動になると思うよ~とお伝えしました。

即日、Bくんが楽しくてテンションが上がり走り回り始めた時に、ママは部屋の隅にBくんを誘いました。

Bくんが手を繋いでピョンピョンではなく『あんころもち♪』をやってとママに求めたので、応じて満足し発散できるように「楽しいね~」と言いながら一緒にあんころもをいっぱいやってみると・・・

『すっと、落ち着いて走り回らなかったんです!』とママから驚きと喜びの報告がありました。Bくんのママ!『好い事作り』できたね!やった~!