楡の会式療育 知恵袋⑤ ・・・あっぱれ!ママの活躍エピソード その2・・・
2016.03.14

★☆★「代弁=わかってもらえてる満足感・達成感=好い行動を作る」!★☆★

①「Aのぐずぐずは自分が原因!」と気付いて満足を作ったママの話。

A君は入園後、帰宅後もママにべたべたくっついて離れなくなりました。トイレまでついてくるし、ごはん支度を始めようにも抱っこしないとぐずるので、ごはん支度もホントに大変だし、大好きなはずのパパにも甘えずママを離れない・・・「どうしてこの頃、Aはぐずぐずべたべたばっかりなの!」とママはイライラが募っていました。そこで、考えました・・・・・・冷静に・・・その結果・・・「生活のリズムが変わって、今までと違って私は忙しい。パパのごはん支度は、今まで早めにできて余裕があったけど今は余裕がない。私の気持ちに余裕がないんだ・・・Aに付き合って遊んでやってない・・・変わったのは自分なんだ」と思い当たりました。

翌日、帰宅後、ママはA君に付き合って1時間、外でたっぷり一緒に遊びました。すると、ごはん支度の時も、A君は全くママにべたべたすることなく、パパにも甘えて過ごしました。

「やっぱり原因は、自分だったんだ!」・・・その夜、パパにそのことを話しました。パパは「少しくらい、食事が遅くたっていいよ。」そう言ってくれました。・・・素晴らしいママとパパのお話でした。

②「できた事を褒めればいいんだ!」とパパにも伝えたママの話。

「Bがトイレに行って、座る前におしっこが出ちゃった時、「トイレでおしっこするって分かっているのだからいい事でしょ~」と先生が言ってくれた。あ~なるほど。便座に座ってできなかった事を×とするのではなく、座る前だったけどトイレ=おしっこと分かって、できた事を褒める~そういう考えもあるんだ~と分かった。」「家でBがトイレに座って出なくて、その後立たせた時に出ちゃった時に、パパに「タイミングがずれて座ってできなかったけど、トイレ=おしっこって分かっている事はいい事で、そこを認めて褒めればいいんだって。」って話したら、パパも「そうか、そんな風に考えればいいんだ!」と、しょっちゅうトイレにBを連れて行ってくれるようになった。うれしい~」・・・そう教えてくれたBちゃんのママ。楡式子育て実践中の素敵なパパ、ママ。Bちゃんは、トイレットトレーニングも順調。自分のペースで健やかに発達の階段を上っています!

③「パパの先生はママ」の話。

「おいで~と呼んでもC君は来ない~」と言うパパに、ママは言いました。「Cにおいで~じゃわからないよ。パパの所に来たら、どんないいことや楽しいことがあるか言わないと。~するからおいで~って言ってあげてね」と。具体的な見通しを持たせるために、わかり易い声かけが大事だとパパに伝える事ができるママ!素敵です。C君は、時々C君と一緒に園に来てくれるようになったパパととっても仲良しです。

④「読んで~」の手拍子に付き合いきっているママの話。

『魔の手拍子!』・・・そう言って笑うのはD君のママ。「最近Dが脇に絵本を抱えて「で~てこい」の手拍子をしながら本を読んで~と来るの。前は自分でパラパラと適当に本のページをめくっているだけだったのに、ちゃんと聞いている。ページを飛ばすとちゃんと読んでって怒るの。他の本は投げる事があるけれど、その本は大事にして投げない。1回に30分以上。それが1日に何回も!ごはん支度もなかなかさせてくれない。Dが自分を離れるのはトイレの時だけ。トイレが私の安らぎの場!パチパチって手拍子打ってくると「わぁ~きた!魔の手拍子!」と思う。でもこんな日が、突然来るんだな~って思った。今までパラパラめくっていただけだったのに、読んで~って来て、読んでやるとちゃんと聞けるようになったのだから・・・また本屋さんに行って他の本を選ばせて買ってやろうかな~」・・・D君のママとの話の一部です。様々なブームにいつも付き合いきって、D君の満足作りをしているママのお話でした。

「3年かかったけど、パパの手を引いて散歩に誘ってくれるようになった」と喜ぶE君のママの話。

「お姉ちゃんが生まれた時は、私とパパと、どっちがオムツを替えるかで喧嘩になったくらい、パパは子どもの面倒を見てくれた。なのにEが生まれたら、お姉ちゃんと違って、パパはEとどう関わっていいかわからなくて全然かまってくれなかった。でもこの頃、Eはパパが帰ってくると飛んでいって、ニコニコでパパを迎えるんです。3年かかったけど、パパはそれをすごく喜んでいる。夕食の支度の時は、ママは行ってくれないけど、パパは行ってくれるからって、Eはパパの手を引いて散歩に誘う。パパも今はそれを楽しみにして、早く帰ってくる。3年かかってね。」「自分の気持ちに余裕がないとEを受け止められないで、怒っちゃうときもあるけど、怒ってもEには通じないし、「も~仕方ないや」って諦めている時もありますけどね」・・・そう話してくれたE君のママ。諦めというより、悟りに近い!!優しいパパの協力も得られるので、ママはずっと忍耐強~く!!E君を受容し続けてきました。Eくんは、今、安心感を得てぐんぐん成長しています。

⑥頓知でF君を納得させたママの話。

F君の履き慣れた好きな赤い靴に穴があき、違う靴に変えようとする時に、F君は靴を変える事をいやがるだろうな~と考えたママは、F君に「赤い靴は靴の国に帰りました。」と言いました。それを聞いてF君は納得し、思ったよりスムーズに黒い靴を履く事ができました。先輩ママの体験談を真似て試してみたのだそうです。大成功!!

F君はピアノが好き。先生が弾いているのを見るのも好きですが、自分が弾く(音を出す)のも好きで、ママと一緒にホールのピアノを弾きに行きます。ママが一緒に弾こうとすると、弾いてほしくない様子なので、「じゃあ、ギター弾くね~」とお母さんはエアーギターで一緒に楽しんでいるそうです。頓知の利くママ!最高に素敵です!先輩ママの知恵や頓知で楽しく子育てしましょ!

⑦「褒めたのが良かった!」オムツ替えてと知らせたG君のママの話。

「いつもならウンチをした時に、Gに「とりかえよう~」と、私がオムツを持つと、追いかけっこの遊びになってGは逃げていたの。でも、昨日、Gがウンチして、私は気付かなかったら、Gが私の手を引っ張ってオムツを持ってトイレで替えてと知らせてくれた。初めて!!きっと、その前の日、たまたまGがオムツを自分で持ってトイレに行った姿を見て、パパが「すごい!Gすごいな!」って褒めたのが良かったんだと思う。すごーい!こんなことしてくれるんだと嬉しかった。」そう嬉しそうに話してくれたG君のママ。

褒められるって、嬉しいこと。大好きな人に褒められたら、もっと褒められたい!褒められる行動(好ましい行動)をするようになります。褒めて伸ばす!褒める子育てをお勧めします。

⑧褒めてその気にさせちゃったH君のママとパパの話。

メガネをかけることになったH君。大人でもメガネをかけはじめの時は、違和感があって気なるものですが、H君は全く嫌がることなく、外すことがありません。

・・・メガネを作ってかけた時に、まず、パパとママはメガネをかけたH君を褒めまくったそうです。その上で、お家の中にいるとやはりH君はメガネが気になるだろうと考えて、慣れるまではとにかく外出を増やして、H君がメガネをかけていることに慣れるようにしたそうです。Wonderful!H君のママとパパ、あっぱれ!

楡では片付けするのに、家で「片付けなさい」って言ってもしない。「全く~」と思っていた。でも、Aの好きな可愛い缶があって、隣の部屋から持って来た時、「片付けて」と言うと、ちゃんと元あった場所に片付けた・・・。クリニックに行った時も片付けるけど、考えたらおもちゃは少ないし、片付ける場所が決まっている。家で「片付けな~」とAに言う時、積み木やおもちゃがいっぱい出ている。楡では、かごや箱を出して「ここにミニカーお片付けね」と声かけするからできるんだ!」と思って、試しに家で大きな車を渡して、「これ、ここに片付けて~」と言ったらちゃんと片付けたの。

「片付けて~」と言っても、雑然としていたら大人でもそうだけど、どこから片付けていいかわからないもね。わかり易く、「これはここ」って言ってやればいいんだ~私の言い方が悪かったのだな~ってわかった。・・・『わかり易さ』が大事って気づいたお母さん、素敵です!

②「できる事をやらせればいい。できるって信じる事が大切!」と気付いたママの話。

クラスの中で他の子ができる事が、我が子ができないと比べてしまう。(どうしてできないの~)って。靴下もBが自分で履こうと思ってる時は履くけど、私が履いて欲しいと思っている時は、私の方に足を出して自分で履かない。他の子は頑張っているのに給食のトレイもBはやらない・・・できないんだ・・・と思っていたのに、担任の先生が「お皿だけでもいい」と言うので、持たせたらちゃんとやった。

他の子と比べないで、Bができる事をやらせればいいんだなってわかった。できそうなことは、我が子はできる!って信じる事が大切なんだな~って思った。

・・・できないってママに思われている事を、子どもは敏感に感じます。ママが我が子にやって欲しいことは、お子さんの発達に応じてできるように工夫して、できると信じて応援してあげる事が大事ですね!それに気づいたママ!とっても素敵です!

③ママの愛を確認しているCちゃんに、とことん付き合いきっているCちゃんのママの話。

Cちゃんのトレーニングパンツには、アンパンマン・ノンタン・トリッピ―・しまじろう・パッコロリン・・・のママお手製のアップリケがいっぱい縫い付けられています。

1か月半ほど前はパンツを履きかえる度に、大騒動!!Cちゃんが「ノンタン~!!」と言って聞かないので、ママがノンタンのアップリケをパンツに付けて履かせようとすれば、「しまじろう!!」と言ってノンタンのアップリケのパンツは履かず・・・しまじろうのアップリケをパンツに付ければ、「アンパンマン!!」と言ってママを困らせ・・・でも、ママはCちゃんの要求(ママへの試し)に、とことん付き合いました。

そんなママの姿を見て、パパは、「よく付き合えるなぁ~俺なら切れる!」と言ったそうです。今は、ママを困らせていたCちゃんのアップリケブームは去り、アップリケなしのパンツも

スムーズに履いています。大きなママの心(愛!)に支えられて、Cちゃんは自我の葛藤の大きな波を順調に乗り越え、ワンステップアップ!成長した姿を見せてくれています。とっても素敵なママに拍手!!

④D君の安心つくりのためにとことん付き合いきったママの話。

1年前・・・「家を出るまで1時間。玄関まで10分。車が発車するまで10分。ついて車の中で10分。やっと楡に着いた。今日は途中でもう帰ろうかと思ったけど、付き合って少しずつ来た。」そういって玄関からホールへと少しずつズリズリとホールへ移動するママとD君。担任は、D君の好きな動物のぬいぐるみを持ってきたり、スーパーボールを転がしてクラスの方に誘いました。D君はボールを転がしたり拾ったり・・・遊びながら泣かずにクラスの部屋に入ることができました。(玄関からクラスまで10分・・・)「今日は園に来て良かった。このDの笑顔見れたから。良かった!」・・・ママはそう言ってにっこり。

ママと離れる事への不安がとても強くて、それが不安で登園が大変だったD君に、D君のペースで安心を作ってきたママ。今では、以前よりスムーズに登園し、ママと分離の活動中も笑顔で過ごしています。

⑤お見事!E君の困った行動を困らない行動(無害な行動)にしたママの話。

E君は、ママが着ているお気に入りのコートの大きめのボタンが気になって、引っ張るようになりました。

ママが「ヤメテ~」と言っても、一向にやめません。そこで、ママは石川院長の本に書いてあった事を思い出し「ボタンを押して~押すならいいよ~」とE君に言ってみました。・・・大成功!E君はボタンを引っ張るのをやめてピンポン押すようになり、ママの困りごとは解消したそうです。

引っ張るのはボタンが取れるので困り事だけど、ボタンを押しても取れることはないですものね・・・。

E君の行動を否定せず、「ダメ」と言わずに、「押すならいいよ」と困らない行動の代替案を提案した=「やっても無害」を作ったママは素晴らしい!・・・ママの勝ち~!

⑥「子どもだけじゃない」心にしみるママの話。

帰りの園バスの中でのエピソード。職員が「ママはF君のことを、本当にしっかりわかってあげてるよね」・・・との声かけに、F君のママが言いました。

「わからないから、わかってあげたい。わかってあげたいから、どうしたらいいか考える。パパは私と結婚して良かったって。他の人とは結婚できなかったって。男の人って勝手。イラッとくるときもあるけど、まあいいか~って。パパの好きな物は、Fと同じハンバーグ。好きな物作ってあげたら喜んでる。子どもも大人も同じだよね・・・」と。好きな人に好きな物を作ってあげる。好きな人の好きな物を理解して応じてあげる・・・わかってあげる事の喜び、わかってもらう事の喜び・・・子どもだけじゃなくて、人はみんな・・・ですね。