きらめきの里・園だより 2021年9月号より
2021.09.03

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*・*・*・* 今月のエピソード *・*・*・*

1.通園2年目A君のママの素敵なエピソード・・・

 給食後のホールでの1コマです。images (15)
 A君がママと一緒にミニカーで遊んでいると、B君がやってきてA君の一番のお気に入りのミニカーをパッと持って行ってしまいました。
 A君は、手を合わせて「返して~」とB君に訴えましたが、返してもらえません。

 それを見ていたA君のママは即!女優になって、傍にあったミニカーを集めて差し出して「これ全部あげるから、それは~それだけは、返してぇ~~」と、我が子の代わりに、真に迫った演技をしてA君と交渉しました。

 それを見てB君は、少しためらいつつ(葛藤)、手に持っていたミニカーをポン!と放り投げて返しました。A君のママは、「ありがとう~」とB君に言い、A君に「よし、遊ぼう」と言って遊び続けました。

 その後、A君のママに声を掛けると「そうするしかないし~」と笑っておっしゃいましたが、職員同様の対応に、驚きと尊敬!の一コマでした。

 我が子に不都合、理不尽な事が起きている場面を目の当たりにするのは、親としては辛いし、時として、その状況を作った相手の子に腹が立つ時もあるでしょう。

 でも、A君のママは、我が子に『こうしたらいいんだよ~』というモデル提示(交渉術を示して見せ)して、放り投げて返したB君に対しても(葛藤したけど、返してくれたね。交渉に応じてくれて、ありがとうね)と認めてくれる対応をして下さったのです。

 こうしてママにお手本を示してもらっているA君は、泣かないで諦めず相手と交渉する力とその自信を確実につけて育っていくことでしょう

OIP (2)

2.何度でもお伝えします!!『図星を言う』の効用1・2・3
「うちの子まだしゃべらない。図星を言って意味あるのかな?」 の質問にお答えします。

 『図星を言う』は心理療法です。そして、お子さんの発達を促す3つの大きな効用・効果があります。

効用1.

 ママが図星を言う事を継続すると子どもに「私の気持ちはママが分かってくれているんだ!ママは私の味方!だからママの言う事聞くよ」と言う気持ちを作り、ママの言葉に聞く耳を作ります。つまり、聞き分けのよい子になっていきます。

効用2.

 ママに自分の気持ちや行動をズバリ言われる=図星を言われると、「自分はママ(他者)からそう見られているんだ。自分はそういう状態なんだ」と気づくことができるようになります。つまり、自分を外から見る力、他者視点、自己説得の力を育てる事に繋がります。それが自分をコントロールする力、我慢する力になります。

そして・・・効用3

 言葉のない世界では言葉をしゃべれる様にはなりません。ママの言っている言葉を聞いて理解し、ママの言っている言葉や動作・行動を真似して言えるようになります。
 言葉は学ぶもの=真似・模倣するものです。

 ことばの遅い子は、自分の思いを言葉に乗せるのが苦手な子。だから苦手な子の思いをママが代わりに言ってあげる(図星を言う・代弁する)ことは「そういえばいいんだ!」と、お子さんにお手本を示すことになります。

 今日お手本を聞いたから、明日から言えるようになる訳ではありません。お子さんによって、そのお手本を模倣できるようになるために必要な時間は違います。でも、お手本を示し続ける=図星を言い続ける事が言葉の獲得・表出には必要です。

 お子さんなりに発した言葉(発声・動作)にママがちゃんと気付いて、意味付けして「言えたね!真似できたね!」と認める事が、お子さんの「もっと言ってみよう!」という意欲を育てて、言葉の発達に繋がります。「早くしゃべって欲しい!」と願うなら、迷わず焦らず『図星を言う』を続けて下さいね。

田野 準子