(49)楡の会発達研究センター報告、その49 (2021年2月)
2021.02.16

苦しい時期もあったけど、代弁して、安心を伝えてきたからGがぐっと成長した! 田野 準子 古谷 ゆき江

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楡の会発達研究センター報告、その49 (2021年2月)

苦しい時期もあったけど、代弁して、安心を伝えてきたからGがぐっと成長した!

児童発達支援センターきらめきの里
卒園児の母 古谷 ゆき江
臨床発達心理士 田野 準子

1.きらめきの里入園~通園時のG君の様子

 地域の幼稚園就園を見据えて、児童デイサービスの利用を予定していたG君のお母さん。
診察で継続的な療育を薦められ、戸惑いを感じつつ、きらめきの里を見学し、3歳4か月の時にG君はきらめきの里ばななクラス(年少児クラス)に入園し母子通園を開始した。
G君は入園当初から、自由に行動できる場面では元気に走り回り、忍者ごっこ、戦隊ごっこなどのなりきり遊びを楽しむ姿があった。
 母子分離時の不安は強く、集団の活動時の着席の持続や順番待ちは難しく、クラスの出席人数が多い、いつもと違う職員がいるなどの状況では、不安から気持ちが乱れ、思いが叶わぬ時や、不安や疲労感が強い時は、叩く、噛む、髪を引っ張るなどの行動が見られた。
 感情のコントロールと気持ちの切り替えのための“図星を言う”をしての安心作り、言葉で伝えようとする意欲を育てる事が支援の目標だった。
G君のお母さんは、悩み葛藤しながらも、『代弁・安心作り』を継続し、自分がG君にとって『安心安全の基地』になるよう努力し続けた。

2.はじめに

 6歳4ヵ月卒園、現在7歳2ヵ月、支援級の1年生のG君。
 今、「驚異的な成長を遂げている」G君の姿に、お母さんは「代弁・安心感・信頼感」が子どもの成長を促す上で、どれだけ大事なものなのかを実感している。
 きらめきの里で行っている保護者向けの勉強会『きらめきママの子育て講座』の最終回(2021年1月)に来園いただき、すいかクラス(年中長児クラス)のお母さんたちに、きらめきの里入園から就学して現在に至るまでの、G君とお母さん自身の成長を振り返り『後輩のお母さんたちに伝えたいこと』をお話しいただいた。その時の記録をここに紹介する。

(当日は、後輩のお母さんたち9名が出席)

3.G君のお母さんのお話・・・(田野が文章化)

 分かってあげる人が私しかいない、何とかしなきゃならない!って、色んな思いの中で我が子をどうにかしなきゃいけないってことで楡に入園した。
 一通り今、田野先生が話をしてくれたけど、とにかく辛かった。私としては3年間辛かった。
 でも、代弁とGの気持を受け止めるって言う事で、変わってきたっていうのはすごい!本当に!本当にすごくて、切り替えも速くなった。今でも、家でもひっくり返ってるし、外でも汚い所でもひっくり返ることはあって、それはなくならない。でも、それが格段に減った。減ってきている。
 それは何故かっていうと、私がその理由を分かっているからっていうのが一番。だから代弁ができて、Gがそのツボにはまって「ママは分かってくれてる」って思えるから、それがGの気持の切り替えの速さや回数が減ってきた事に繋がっている。

 ばななクラス(年少)・いちごクラス(年中)・すいかクラス(年長)で、これでもか!って、代弁をやり続けるしかなかった。
 いちごクラスの時、幼稚園の願書提出の時期は辛かった。クラスの皆が次年度はいなくなる。みんな幼稚園に行けるのに、うちのGは行けない、取り残されている・・・めんどくさいなってすごく思っていた。
 先生達に当たって、こんなに私はやっているし、こんなに頑張ってるのに、なんで行かしてもらえないんだ!って。結局そっちのレールでしょう~みたいな、投げやりになった時もあった。そっちしか選べない。そういう暗い道しかないのかって。
 でも、押し通して幼稚園に行くことが、この子にとっていいのかって思った時に、自信がなかった。だから残るしかなかった。
 残った時にどうしようって、前向きに考えることができたのは、たぶんGが成長していたから。
 その成長っていうのは、代弁したり、楡式をやってく中で、Gと気持ちが共有できることが増えてきて「これが嫌だったんだよね」と私が言った時に、Gが「そうだよママ、早く分かってよ」って思って切り替えられることが増えたり「これ嫌だよね。ほんと嫌だよね」って言った時に「そう嫌なんだよ。だから言ったしょ!ママ!」って、言えるように、真似ができるようになったこと。
 伝わった!分かってもらえた!ママに言えば俺の気持ちは間違ってない!否定されたわけじゃない!っていうGの経験の積み重ねの中で、心が通っていくっていう実感が湧いてきて、そこで初めてGのことを『可愛い』と思えた。
どうしていいかわからなかった中で、共有して、代弁して、Gが言葉でまねして、手が出るより先に言葉で伝えるよう  になって、伝えたことで成功体験を積み重ねる事で、問題行動が減ってきた。

 単独通園が始まって「ママがいないからどうしよう!」って、Gがママ以外の人に頼らなきゃならない、助けてもらわないと辛くなる、そんな状況になった。それで、ママ以外の大人、先生と信頼関係を築いていった。私は連絡帳を使って担任の先生に伝え続けた。

(ここで、分厚い沢山の連絡帳を参加者に提示したところ、歓声が上がる)

 まとめるのが好きで、写真も使って、Gがどう思っているのか、どういう風に家で過ごしているのか、こういう所に行った、こういう風にしたら成功したとか、こうしたら伝わったとか、こうやったら上手くいったとか、母としてどういう風に思ったとか、こういうブームだからこういう物が欲しいと言うかも知れない~とか、情報交換を密にした。分かって欲しかったから。
 それをすることで、先生がGの要求とか状態を一緒に共有して、ママの代わりの頼れる人になったというのが、ママ以外の人との関係を単独通園で上手く出来ていったことに繋がった。
 でも、(5歳6か月)単独通園が始まると、爪噛みが始まって、剥げるまで噛み続けた。激しい割にはそういうところに出てくる。すいかクラスの最初の母子通園の日はピタッと止まって、でも単独通園が始まると途端に爪が全部無くなるまで噛んでいた。そういう繊細なところも共有しつつ、それを止めずに安心作りを続けた。
 それが言葉のコミュニケーションに繋がった。面白いくらいに、コミュニケーションって安心の中から生まれると思った。

 感情のコントロールの方法も、場所を変えたり、写真提示やカードを使った。写真はカードも含めて共有の一つで「僕はスターウォーズの映画を見たから剣が欲しい!」って言うのが言えないから、写真を見せてこの中で写真の中の「コレ(ライトセーバー)!」「青いの!」と指差してGが伝えて、それを分かってもらえれば写真の提示がいらなくなる。前は、なんで写真やカードを使わなきゃいけないんだろうって心配していたんだけど、写真やカードはきっかけに過ぎなくって、その時その時に上手く使えばいいもので、その後、分かれば使わなくなるんだな~Gに合った使い方をすればいいんだなって分かって、むしろ、活用していこうとすごく思った。
 Gの疲れ具合が分からなくって、やりたいから頑張りすぎちゃう。だから最終的にイライラして、感情のコントロールができなかったりする。そこは今でも、引き続き色々工夫してやっている。

 学校を決めるにあたっても、ギリギリまで悩んだ。支援級にするか、養護学校にするかギリギリまで迷った。両方見学に行って話をして、どっちがGに合うか、どっちの先生がGを理解してくれそうかに尽きた。先生の人数の違いはあるけれど、いかにGを理解してくれるかを考えて、泣きながら伝えた。
 どんだけ頑張ってきて、どういうGがいて、こういうGに育って欲しい、こういう環境が今欲しいんです!って伝えた。
 今行っている支援級の先生が理解を示してくれて「一緒に進めていきましょう」と言ってくれて、支援級に決めた。楡の担任の引き継ぎもあって、どうなるかなぁと思っていたけど、入学式はびっくりするくらい普通にできた。先生と手をつないで入場して、初めての経験の所で、ひっくり返ってもおかしくないし、途中まで行って帰るって言ってもおかしくないし~って思っていて、それも、全部先生にお伝えした。でも、Gは大きな声も出さずに、全部やり通した!母は号泣。

 学校に通学するってことも、学校にずっといるってことも無理だろうと思っていたので、何かあったら、迎えに行けばいいやって思っていた。5分いればいいや~そこからスタートしようって。
 楡で3年間かけて安心して分離ができた。だから、3年かければ学校にも行ける!それは自信があった。3年かけて行けるんだったら、学校は6年間あるんだから、それでいいんじゃないかと思った。
 だから1年間、毎朝私が付き添ってずっと一緒にいてもいいし、5分で挨拶して給食食べないで帰ってきてもいいし、6年間の中で、Gが学校楽しかったねと思えればいい~と思って、長い目でそういう環境であればいいと思っていたから、先生にそれも伝え理解してもらって、そしてスタートした。
 先生もそれを理解してくれたから、Gは、辛くなったら先生に言えば、ママが迎えに来てくれる。必ず言えば迎えに来てくれる!って安心できたから、そこから信頼関係ができて、ちょっと頑張ってみようかな~って思えたんだと思う。楡の単独通園でそういう流れをやって、経験してきた。そうしたら、たった2週間で安心して学校に行けるようになった!私が迎えに行くことがなくなった。

 私も焦らずGを待って、担任の先生も伝えたことを分かってくれて、G自身が安心作りの方法を習得した。それが、Gの安心からの成長につながったと実感している。
 安心感に尽きるなと思う。信頼・安心。そうすると、いろんなことが吸収できるようになった。
 安心できると心の余裕が出来る。心の余裕があると、平仮名が読めるようになったり、数字が数えられるようになって、時計が読めるようになって、意識が行くようになって、そうすると更に世界が広がった。

 Gは「ドキドキするけど先生に聞けば助けてくれる。ママに言えば休ませてくれる。だから、ちょっと頑張ってみよう」って思えるんだと思う。毎日の積み重ねで、今は、着席が15分から25分も、出来るようになった。Gは驚異的な成長を遂げている。
特に荒れることもなく、私も、Gは学校で頑張ってるから、家ではおやつ・TV・You tube ほぼ何でもOKにしてる。家では図星を言って怒らせない~に徹している。ご飯を食べて、早く寝る。睡眠は、必ず確保してあげようと思っている。
 コロナで時間を持て余すようになって、刺激があった方がいいなと、デイサービスに行く事にした。
 私はまた熱弁して「こんな子なんです、こんなこと気を付けてあげてください」って、ひたすらそこにも伝えた。それで、初めての場所でも、不安は見られなかった。体操をやっているデイサービスで、好きな事で時間が決められている所を選んだ。
 経験の中で「ママは必ず迎えに来る!帰ったら休める!」ってGが信じれる、安心できるようになったし、そこでは、マットだけ用意してもらって、しんどくなったら、Gがマットに自分でくるまる事が出来る様になっている。
 家じゃなくても楡じゃなくても、Gが自分で調整している。先生もプロなので、分かってくれてる。デイサービスにも伝えることで、Gが安心できる空間を作ってあげることが出来て良かった。ちゃんと伝えるってことが大事なことだって感じている。

 デイサービスの先生が「Gくんは愛されていますよね~」と言ってくれた。嬉しかった。誤解されやすいから、Gの可愛さを分かってもらえないかもって思っていたけど、私がGの代弁をすることで、デイサービスでもGの可愛さに気付いて言ってきてくれる。良かったな~と思った。
 私がGの図星を言って、心を代弁して、Gの安心を作ってきたことで、Gが生きやすくなっているって言う事が実感できている。
 安心して大人に頼る、ママ以外の人に頼る経験を確実にここ楡で積んで、共有できるようになっているからこそ、他の所でも、同じように出来るように成っている。

 秋口にもう一つデイサービスを増やした。今の心の余裕なら、もう一つ増やしても行けるんじゃないか、まあ、無理なら行けなくてもいいかなという、軽い感じで行った。
 そこに行ったら、一つ目のデイサービスの時よりも更に早かった。行って、初めて会う人なのにGはすごくスムーズで、びっくりするくらいで、色んな経験がここに活きているなと感じた。必ずちゃんと「何時になったら迎えに来るからね~」とか確認しなければならない愛情は伝えているからなんだろうな~とは実感している。
 お母さんがベースにあって、安心感・代弁。こんなんでやってられるか!って思った苦しい時期もあったけど、代弁して、安心を伝えてきたからGがぐっと成長してきた。
 安心の元に、Gがもっとやりたい!って、心が芽生えて頑張れるって言うのが事実だろうなと。だから、やってきて良かったなと思う。

 就学後は、子どもとの時間は確実に減る。先生との時間が増えるので見えなくなる。
 更にデイサービスにも行って、見えないGがいるので、そこは様子がわからないから、できるだけ連絡帳を利用して共有することが大事かなと思っている。

(学校の連絡帳持参~出席者に見せながらお話が続く)

 学校の連絡帳も、できるだけ、あった事とか、こうしてお伝えするようにしている。G自身もまだ文字が使えなかったりするので、映画に行ったりしたら写真貼らせたり、Gが自分で思い出せるようにして、できるだけ共有できるようにしている。

 母は安心安全の基地であって、調整役・伝道師になれたかなと思っている。
 その結果、自分の時間が増えて、安心して「行ってらっしゃい」が言える。「おかえりなさい」って帰ってきた時の距離感もいい。頑張ったね!って、言えることが増えたと思う。
 今でも、お姉ちゃんと喧嘩したら手も出るし、物投げるし、やりたい!って、ひっくり返ってiPad割っちゃうとか、ベースは変わらない。不安に思う事、納得いかない~って時もあるし、世界は俺中心で回っているから。でも、小さな家族の社会から大きな学校の社会に行ったり戻ったりしながらっていう感じ。

(通園中の連絡帳を出席者に回して見せてもらう~みんな感心しながら熱心に見る)

 これ、成功っていうか、成功ではなく成長。
 みんなそれぞれ違うやり方があって、同じようにすれば、同じようになるって話ではなくって、色んなやり方がある。みんながそれぞれ必ず愛情を伝えて、代弁していくことが大事。
 マイナスなことも是非、先生とかに言って。自分も伝え方を母として経験していく。先生に、私はこういう状態なんだって言ってもらえたり、私はこういう状態なんですって伝えることが、結果、自分にも子どもにも経験になっていくので、あんまりため込まないほうが絶対に早道。いいと思う。
 私自身、ため込む方だけど3年間で、自分に対して悩み倒したし、八つ当たりもしたし、泣きつきもしたし、主人にも当たった。
 でも、こういう風に相手に言うことで伝わるんだなって、こう風に言う事で、ちゃんといい風に回っていくんだ~っていうのを、この3年間で私は少し習得出来た。それで、私も活かされてると思う。自分がこういう風に伝えれば、こうなるんだなってわかるっていう仲間を作った方がいい!楽になると思う。

 私はこういうことがしたかったんだろうな~って思う。
 私だけがこの子の子育てをするんじゃなくて、いろんな人が見守ってくれる、分かって関わってくれて子育てするということ。Gがこんな風に成長したよ!って感じて言えてることが嬉しい。
 みんなそれぞれだから、たくさんの色んな人の愛で、いいものが生まれてくるんじゃないかなって思う。本当に愛だと思う。
 すっごい疲れるけど、これからも安心・安全・信頼を作り続けたいと思っている。

(ここで、G君のお母さんのお話はいったん終わり、質問の時間に)

4.G君のお母さんへの質問&応答≪質問タイムにて≫

Q1.今年、Rは年中で、すいかクラスになって、年が明けて単独通園が週4日になった。母子の通園日が週1日しかない。先生が忙しそうで、先生としゃべる時間がない。話す機会がないからRが何をしてたのかとか、すごい不安。どうしたらいい?

A1.【G君のお母さん】 是非、そういったマイナスなところも伝えた方がいい。先生たちも頑張っているし、先生たちも分からないってことがあるから、親としてこうでした、こう感じました、こう思っていますって、先生に絶対伝えた方がいい。色々な方法があるけど、母しかわからない気持ちは、先生が忙しくても、伝えた方がいい。

 Gがいちごクラスの時、どうにもこうにも激しすぎて、(年度末のクラスごとの)ホールでの発表会の時、Gが、他クラスの発表に出たくて出てしまうから発表にならない。他の子が危険だから、どうしようもないという時があった。私からすると申し訳ないという気持ちと、でも、Gにやらせてやりたい気持ちもあった。
 でも、そこは折り合いがつかなくて、先生に「部屋で待っていて下さい」って言われた。ホールに行かなければやらない。そうだけど、部屋に親子二人でこもった時に、それでいいのかなって思って、疎外感を感じた。
 先生たちは対処法としてギャーッってならない一つの方法として、やってみたんだと思うけど、母としてすごく嫌だった。Gだけ蚊帳の外。Gがギャーッてならないで進行出来たから○になってるけど、私の気持ち、Gの気持ちはどこ行っちゃたんですかって。私はそれを先生に伝えたし、言わなきゃそれが伝わらないと思った。

 学校もそう。すべてが引継ぎされてるわけではないし、分かってもらえるわけじゃないから、「私はこう思いました。先生はどう見ていますか?」って繰り返すことが大事。喧嘩じゃなくって、一緒に情報交換をする仲間だと思って話して欲しいなって。ママが一番我が子をわかっているんだから、不安だって思う事は、伝えた方がいい。
(通園中の連絡帳を見ながら、参加者と和やかにG君のブームの話をする)
 すいかクラスの時、映画『IT/イット』がブームで、Gが変身したいからと、先生が顔中にペイントしてくれた。上手に書いてくれた。私はOKにしてて、今しかできない年齢だよな~今ならOKと。全身緑色で帰ってきたこともあるし、そのGを連れてスタバに行ったこともある。この子は私の子です。これ『イット』なんです~ピエロなんです~って。私がそんな風に言える心になれた。こんなんですけど、可愛い私の子、愛してます!って。むしろ面白いでしょう。可愛いいでしょって。そんなふうに言える私になれた。

Q2.今、家族のお出かけはどうしている?

A2.【G君のお母さん】 事前に伝えている。事前に伝えないと、Gは、お姉ちゃんの予定は端折りたい、自分のことやりたい!ってなる。私がお姉ちゃんやパパに「今Gは、~しているから1時間ぐらい待てるから、先に買い物して~とか、あとでお姉ちゃんの用事たそうか」と発信して家族の計画を立てる。家族の理解を得て。お姉ちゃんには、そこを理解してもらったり、我慢してもらっていることが多いけど、違うところでカバーするようにしている。2つ違いのお姉ちゃんなので、多感。どうしようかなって悩ましい。
G中心で動いてるところがある。G中心でやっていく方が結果上手くいくっていう部分が分かっているけど、時間かけて話していっている。Gも少しずつ、自分中心でなくても合わせることができるようになってきている。

 試行錯誤の毎日。上手くいかない日もあるけど、Gは、安心感があるから、私が上手く図星を言えなくても、失敗しても、許してもらえるし、「ごめんごめん~」って言って、リセットできる。
こうやって笑って話しているけど、しんどい時もあるけど。

 何かあったら是非連絡を。こんな話ができる人を知ってるのと知らないのとでは、全然違う。
 親同士が繋がっているのと、繋がってないのとでは、気持ちが全然違うので、みんな繋がって頂けたらといいなと思う。普通にお友達になって下さい~いつでも声をかけて下さい。

(以上、50分にわたり、お話しいただいた。)

5.お話を終えて・・・G君のお母さんの言葉

「私も(かつては)沼の底にいた。沼を泳いでいたかな。」

「前が見えなくって、真っ暗で誰も救ってくれない!と毎日涙する事も私には必要だった。」
「我が子の信頼と安心を作るために、ママも先生と信頼安心を作って欲しい。」
「具体的な方法は、その子によって異なるしママやパパによっても変わってくる。だから同じようにできない!と比べる必要もない。」
「きらめきの里にいる時には分からない我が子の成長が卒園後に必ずある。今、我が子と向き合い、先生たちと一緒に試行錯誤していることが、今しかできない事だし、それが成長につながると思う。」

6・終わりに

 子どもを育てる上で、我が子の一番の理解者になり、図星を言い、安心作りを続けてきた古谷さんの子育て体験談は、就学就園を控える参加したお母さん達にとって、心打たれ、たくさんの学びが得られたお話しだった。

 今回、小学校の冬休み中の依頼に、快諾いただき、ご家族のご協力を得て古谷さんにお越しいただくことができました。心から感謝申し上げます。