きらめきの里・園だより 2025年6月号
2025.06.02

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保護者向けの勉強会『子育てサポート講座』は、今年もクラス毎に年間6回、各クラスのお子さんやお母さん・お父さん方の経験やニーズに合わせて、子育てや『好い事作り療法』の話をさせて頂く予定です。
お母さん・お父さんに受け止めてもらい、代弁してもらい、待ってもらい、認めてもらい、褒めてもらい・・・安心と満足感を得る経験を積み重ねてきたお子さんは、必ず健やかに成長していきます!

 

★今月のエピソード★

 

★カウントして、とことん付き合い、満足づくり ~交渉上手になったAくん~
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給食前のトイレの時間。Aくんはお気に入りの場所であるトイレの窓枠に登り、おばあちゃんに誘われても部屋に戻ろうとしません。担任が、「あと20登っていてもいいよ。20数えたら、おしまいしてお部屋で給食を食べよう」と提案すると、Aくんは「100」と言いました。担任は「いいよ、100登ったらお部屋に戻ろうね」と声掛けし、ゆっくりと100数え、「100も登れてよかったね~!お部屋に戻って給食を食べよう!」と満足づくりの声掛けと次のアナウンスをすると、Aくんは「1000」と呟きます。ここで無理に切り上げると、納得がいかずに気持ちを切り替えることがより難しくなるだろうと予測した担任は、おばあちゃんと一緒にAくんが自分で1000数えるのを待つことにしました。すると、自分なりに1000まで数え切って満足したAくんは、担任の提案に応じてお部屋に戻ることが出来ました。好い事作りの手法の一つ、「カウントダウン」は、満足先行で大人が譲歩して待ち、自分のやりたいことを分かってもらえた・付き合ってもらえたという安心や満足を作ることで、大人の提案に応じて気持ちを切り替えられるよう促す交渉術です。カウントする長さは、お子さんが“付き合ってもらえた!”と満足するまでの長さに合わせて変わります。またカウントした後に「たくさん出来て良かったね!」「10出来たね!楽しかったね~!」と満足づくりの声掛けをした上で、次のアナウンスをすることが大切です。
通園経験を積み重ねてきたAくん、“まだやりたい!”と怒るのでなく、言葉を使って交渉する力が付いてきていてあっぱれ!そして、Aくんが満足するまで根気よく付き合ったおばあちゃんと担任もあっぱれ!です★
★好きな物を使って、思わず出来ちゃった!
朝の会の名前呼びの時間、周囲から注目される場面が苦手なBちゃんは自分の番がくると寝転んで嫌がっています。そこで担任は、Bちゃんが持っていたお気に入りの猫の指人形に向かって「〇〇(Bちゃんの苗字)ねこちゃん」と呼ぶと、Bちゃんは猫の指人形を動かしてお返事します。同じやり取りを2回繰り返した後に、担任がBちゃんの名前を呼ぶと、自分の手でタッチのお返事をすることが出来ました。好きな物を利用してBちゃんがやってみたくなるような誘いかけをすることで、“できちゃった!”の成功体験を作ることが出来ました✨
★好きな物を使って、安心作り&やる気育て
新年度、トイレの場所が変わったことで泣いて嫌がるようになったCくん。担任がCくんの好きな絵本に出てくる動物のイラストをトイレに貼り、「ブラウンベアー見に行こう」と誘うと、泣かずにトイレに行けるようになりました!また、食べることが苦手なCくんが食への興味を持てるよう、給食時間にテーブルに好きな絵本に出てくる動物のイラストを貼り、給食を食べさせるふりをすることを担任が提案し、Cくんは楽しんで取り組んでいます。好きな物を活用した安心作りは、やる気を育てることに繋がります。動物に楽しく食べさせる経験の積み重ねが、いずれ“僕も食べてみようかな”“食べれちゃった”に繋がる日が来るよう、焦らずCくんペースで❤ママ、パパ、ファイト~!!
黒田 奈保