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<<今月のエピソード>>
★“特別に”で、付き合ってもらえた満足づくり
登園後、朝の身支度前にホールを走るのがブームのAちゃんと、それに付き合っているママ。そろそろ満足してきたかな?という頃に、ママが「あと10走ったらお部屋に戻ろう」と10カウントし、部屋に戻るよう誘いますが、Aちゃんは「やーだー」と言っています。そこでママは職員のアドバイスを実践し「特別にあと10走ったらお部屋に戻ろう」と提案して再び10カウントすると、Aちゃんは部屋に入って靴下を脱いで鞄をかけて、自分で身支度を終えることが出来ました!素敵なAちゃんの姿にママはびっくり!「すごいね~!」と頭を撫でていっぱい褒められ認められ、Aちゃんも嬉しそうでした❤
佐野 えみ
子どもは自分のやっていることや、やりたいことを止められると、怒ったりその思いが強くなることが多いです。「ダメ」「出来ないよ」と否定・制止せず、“あなたの顔を立ててあげるよ”という提案をした上で次の行動を伝え、交渉をするのがカウントダウンです。また、「特別感」を醸し出すことで「特別にママはイイって言ってくれたんだ~!やった~!」という気持ちを作るのも、より交渉に乗りやすくするのに有効な技の一つです。Aちゃんのやりたい思いに寄り添って付き合い、満足を作ることが上手になっているママに拍手👏✨
★分かりやすい先のアナウンスで想定内を作った、ママの成功エピソード
お買い物に行くと「ガチャガチャ イコ(行こう)」と言って、ガチャガチャコーナーに行くことを要求し、叶わないと激しく怒るようになったBくん。そこで、ママは買い物に行く前に「今日はBのお絵かきの紙を買いに行くよ。」とパッケージを見せながら声掛けし「今日はガチャガチャ出来ないけれど、次にみんなでお出かけする時はガチャガチャしてもいいよ」と先の予定を伝えることにしました。するとBくんは、買い物中も怒らずにガチャガチャコーナーを通過することが出来るようになりました! 思い通りにならなくて怒るのは、子どもにとっては想定外の出来事に『そんなはずじゃなかった!』という気持ちになるからで、その憂さ晴らしに泣いたり怒ったり叩いたり…となるのです。分かりやすい言葉や具体物を使って見通しが持てるようアナウンスし、想定内を作ったことでBくんが納得(=自己説得=我慢)出来るよう仕向けることに成功したママ!素敵です❤
★「成功は成功のもと!」スモールステップで着実に前進しているCくん
偏食で、数種類の決まったものだけを食べ飲みすると決めているCくん。家庭や給食場面でみんなが楽しく美味しく食事をする姿を見せることと、ママがスプーンに少量食べ物をすくって「ちゅっ!」と言いながらCくんの唇に一瞬だけつけることを継続してきました。するとある日の給食、Cくんは自らママの手を引いて麻婆豆腐がのったスプーンを口元に運んでパクリ!初めて給食を食べた姿にママはもちろん、担任も他のママ達もびっくり!Cくんは皆から盛大に褒められ、嬉しそうな笑顔を見せていました✨ 見ることは子どもにとって大事な学びです。その環境を作った上で、無理強いはしないけれど、我が子に合わせてやり易い手本を繰り返し提示して誘いつつ待つ…Cくんのペースに寄り添いながら、ママが根気よく積み重ねてきた取り組みが実を結び、Cくんの“やってみたら出来ちゃった!”を作り、皆に褒められることで更に大きな成功体験となりました✨成功体験は次のやる気・意欲のもとになります。これからのCくんの成長が楽しみです♪
佐川 ゆり