(16)楡の会こどもクリニック通信第16号(2006年6月)
2015.12.24

院長の石川は5月のゴールデンウィーク中の3-4日と月末の土日の27-28日の2回に渡って旭川に行き、北海道教育大学旭川校において集中講義をして来ました。
講義名は「障害児精神保健学」です。
連休中の真っ只中でしたが、聴講生は70名ほどでした。

 卒業したら私達の療育の世界に入って来て一緒に仕事をするようになる、大事な人たちかと思うとつい話に力が入って、時間一杯びっちり講義して来ました。
 講義は、まず初めに障害相互状況説を解説しました。これは「障害児が一般の人々の中でとまどい、つまづいている状況で、一般の人々も児に対してどうして良いかとまどい、つまづいているのだから、一般の人々も同じく障害状況にある。」という梅津八三の障害非障害平等説です。
 この「相互とまどい状況」において、楡の会では子どもと大人がいつもとまどい合っているわけではなく、お互いのとまどい状態を無くすべく、工夫考案し実践している内容を、様々なケースを具体的に紹介しながら、説明して来ました。

上手く療育できたお子さんの体験談をすると、私語が減りました。

講義内容の一部は既に発達研究センター報告およびこどもクリニック通信に掲載してありますが、講義に関わるキーワードは以下の通りでした。
 インクルージョン、摸倣、表象、身体図式イメージ、随意運動、手話の喃語、逆向きバイバイ、幻覚肢、大脳機能局在、言葉、能記所記、音韻、統語、語用、象徴、言語の恣意性、象徴の有縁性、その子語、字義通り性、物の機能的操作、オノマトペ、擬態語・擬声語、音節の繰り返し語、ふり・見立て・ごっこ、象徴遊び、成りきり、心の理論、比喩、アニミズム、前言語的コミュニケーション技能、共同注意、原叙述的コミュニケーション、社会的参照、指差し、過剰般化、ナラティブ、語り、概念、情動語、社会化、他者視点、自己説得、4歳児の自己制御、注意欠如多動障害、因果倶時、見てよ行動、二つ先のアナウンス、攻撃性、ABC行動分析、仲間入り方略、原始反射、個体発生は系統発生を繰り返す、神経回路、脳性麻痺、てんかん、学習障害、読み・書き・算数障害、失語・失行・失認、微細脳機能障害症候群、K・ABCアセスメント、自閉症の子のこだわりは安穏行動、神経症、葛藤、敵意帰属バイアス、DBDマーチ、等々。