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*・*・*・* 今月のエピソード *・*・*・*
1.「これならいいよ」の代替案 ~ 子どもも大人も満足・達成感!
新入園のAちゃん。入園前からママは『好い事作り療法』の関わり方を学んできたので、Aちゃんの「聞く耳」は作られています。ホールでBちゃんが手に持っていた安心グッズのキューピー人形を見たAちゃんは、とっても欲しくなって「貸してー」を言わずに、Bちゃんから取ってしまいました。
Bちゃんは、びっくりしつつ自分より小さいAちゃんの様子を見て、怒らずに貸してあげましたが、少ししてから、Aちゃんの隙を見て取り返しに行きました。(さすがお姉さん!のBちゃん♡)
翌朝、ホールで又、Bちゃんのキューピー人形を見て欲しがるAちゃんに「これ、可愛いでしょ~Aちゃんのキューピーだよ!」と言って、キューピー人形の写真(6cm位の)をプリントして切り抜いて、破れないようにして作った物を代替品として「Aちゃんのキューピ♪Aちゃんのキューピ♪」と言って歌いながら渡しました。
Aちゃんは直ぐに笑顔で受け取って大満足。私と一緒にステージの上で飛び跳ね続けました。
ママは「本当に写真が代替品になるとは、思ってなかった。無理だと思ってた!」と、驚かれていましたが…。
ママに受容をベースにした関わり方をしてもらってきているので、自分の気持ちに折り合いをつける事が出来る力を持っているAちゃんは、大人が“積極的な満足作りの声かけ”をしながら「これならいいよ、いいでしょ~」と言う代わりになる物の提案をすれば「私の気持ちを分かってもらえて、写真だけど私のための物(特別感)が手に入ったから可愛いし、まあいいわ!これで満足!わ~い!」と、自己説得する事(妥協・我慢)もできるのです。
我が子を信じて、あの手この手で満足と積もりを作り、ママも「やった!」と達成感を得ながら子育てしましょう!
田野 準子
2.母子分離不安の解消~子どもによって必要な時間は異なるけれど…継続は力なり!!
入園後ママの昼の休憩時に、不安で泣いていたCちゃん。担任は「ママ~!」「ママ~!早く帰ってきて!」「ママがいないと寂しいけど、頑張って待ってるよ~」と一緒に泣いたり(泣き真似)しながら傍に寄り添って、Cちゃんの気持ちを代弁し続けました。
1、2日目は10分ほどの母子分離の時間でしたが、Cちゃんは泣き続け眠ってしまいました。(お母さん曰く、Cちゃんは小さいころから、嫌な事があると逃避?して眠る事があったとの事)でも、お母さんが戻るとすぐ目覚めて安心した表情を見せました。
3日目からは、母子分離の直後は泣くものの、担任がCちゃんの好きな果物の絵本やままごとに誘い「見て見て!りんごあるよ!」「みかんもあるよ!」と言うとその声に応じて注目できて、Cちゃんから「ごりら・・・」と言って『くいしん坊のゴリラ』の手遊びをするように担任に求めたり、興味のある事で遊ぶ事が出来るようになってきました。
7日目からは、母子分離の時間になるとCちゃんから担任の手を握り扉まで行き、お母さんとバイバイし、担任が「ママー早く帰ってきてね!」と代弁をしながら一緒にお母さんの姿を見送ると、Cちゃんは泣かずに遊ぶことができるようになりました。
短期間に分離不安の安心が得られたCちゃん!担任が代弁(図星を言う)を繰り返し続けたことでCちゃんは「先生は私の気持ちを分かってくれている。大好きなママがいないのは悲しいけど、先生と遊んでいたらママは必ず戻ってきて、ギュってしてくれる。ママがいない間は、ママの代わりに先生がいてくれるから安心していいんだ。安心して先生と好きな遊びをしてママを待っていよう~」という気持ちが作られたのだと思います。(ママは安全基地になっているので、戻ってくれば安心・笑顔のCちゃんです♡)
ママがCちゃんの成長を願い信じて継続して登園してきている事、担任が継続して「図星を言い、好きな遊びをしてママの帰りを待つ事」を続けてきた事・・・で、Cちゃんは見通しが持てて、安心できるようになりました。継続は力なり!!です。
初めての通園の生活はドキドキしたり、不安なことがたくさんあると思います。でも、継続していくことで必ず不安は解消していきます。お子さん達が安心して過ごせるように、寄り添って頑張っていきたいと思います。
西田萌華・漆館いずみ