きらめきの里・園だより 2024年7月号
2024.07.01

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*・*・*・*今月のエピソード*・*・*・*
1・「満足先行」が聞く耳を作る
親子遊びの最中に、大型絵本を探し出して自分でページを開いて読み始めたAくん。職員はAくんの代弁をしてから「絵本を読んだら親子遊びをしよう!」と提案しました。絵本を見終わり満足したAくんは、親子遊びの輪に戻り参加しました。「満足を先に作ることで、提案に乗ってくれ易くなるので、先にAくんの思いに応じていくといいですよ」とお母さんにお伝えしました。 ★その後、担任はクラスの取り組みとして、picture1親子遊びの前に絵本タイムを入れるようにし、Aくんはスムーズに親子遊びに参加できるようになりました★
2・みんなに繋げるBくんの「伝わってうれしい!楽しい!」の満足作り!
朝の会の手遊びが好きなBくんは、いつもキラキラした目で担任の手遊びを見ていました。自分から職員にアピールすることがまだ少ないBくんなので、“伝えたらわかってもらえる!願いが叶うんだ!うれしい!もっと伝えたい!”という気持ちが更に育つ様に、積極的に手遊びをして見せることを継続してきました。
その結果、Bくんは職員の手を持って拍手をさせ“パン屋さんの手遊びをして”とアピールする様になりました。毎日何度も手遊びのリクエストに応え続け、それが定着してきた頃に、大きく手を広げる動作picture2にアレンジしてやって見せると、それも気に入ってBくんはオーバーアクションの手遊びのリクエストをする様になり、要求のバリエーションがひとつ増えました!その後、パン屋さんを何度もしている途中でいたずら猫ちゃんの手遊びをすると、“それもあったか!”と言わんばかりに、手を頭に立てるように置いて、いたずら猫ちゃんのリクエストもしてくれるようになりました!
お母さんは、そんなBくんの姿を喜び、自宅で手遊びのリクエストに沢山付き合い、トントントントンひげ爺さん、あたまかたひざポン…とバリエーションが広がり、歌の終わりになると大人の手を次の手遊びの初めの位置に持っていき、メドレーのように順番にリクエストして楽しむというやりとりに進化しました。また、通園でBくんのリクエストが職員に伝わらない時にはその代弁をしたり、「良かったね・楽しいね!」と声掛けしてBくんの気持ちに共感し続けてきました。
手遊びのやり取りを通して、職員のしていることに興味を持って注目する様になり、うがいのお手本をみて真似したり、誘われると大喜びで一緒にトランポリン遊びをしたりと、職員の言動への注目や関心を示す様子が増え、更に模倣することや、感情の表出も豊かになり目を見張る成長の姿が見られるようになってきました。
Bくんから手遊びのリクエストがあると、出来るだけ大きな声と動きで応じます。すると、周りの他の子どもたちも“何か楽しそうなことしてる!”“この歌知ってる!”と気づいて見てくれます。遠巻きに注目する子、楽しそう!と近くに来てくれる子、一緒に真似て楽しむ子…泣いている子の気持ちを切り替えるきっかけになることもあります。今では、僕とあそぼうよー!と他の遊びに職員を誘いにくる子に、picture3Bくんは負けじと手遊びを続けてもらえるよう職員にアピールするようになりました。
Bくんとの手遊びの時間は、みんなにとっても、とてもいい時間になっています♪
黒田 奈保