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新年度がスタートして1か月経ちました。継続して通ってきたお子さん達は、新しい環境にも慣れて、安心して過ごせるようになってきています。就学前の子ども達にとって「分かってもらえる感&安心」を作ることは、子どもが人として成長するための土台となり、宝物になります。親がその方法を知ることは子育てのスキルアップになります。
『好い事作り療法』は、子どもにとっても親にとっても“分かってもらえてうれしい!困り事が減って良かった!上手くいくようになって良かった!”と思えるようになる、心理療法をベースにした子育ての方法です。
親子の幸せ作りに役立つ子育て法を理解・実践してそれを実感していただける事を願って応援していきます!!
★★★今月のエピソード★★★
★我が子の成長に合わせて、ママも受容の形をステップアップ!
朝の会の時間、部屋の隅に座って過ごしているAくん。ママは「ここが安心するんだよね~」と受容・代弁しつつ、名前呼びでAくんの順番になる直前に抱っこで椅子に戻ります。すると、Aくんは隣のお友達にピンポンしてもらい名前呼びに応じ、その後は椅子に着席して参加することが出来ました!
受容の方法は子どもの育ちに合わせてステップアップさせていくことが大切です。初めの頃は100%の受け止めや代弁をして思いに合わせることで安心感を育み、次のステップとして受容しつつその子の発達や課題に応じて少しずつ好ましい行動を促す声掛けや提案の割合を増やしていき、お子さんが提案に応じてくれた時には達成感を味わえるように褒めていく。そのステップを着実に踏んできているAくんとママ。思いを受け止めAくんなりの参加の仕方を認めつつ“ここは頑張ろう”というところはタイミングよく参加に誘っていく、ママの子育て力に拍手です✨
★大好きな物をうまく利用して、楽しく遊べちゃった!
玄関ポーチでの外遊びの日、バスが大好きなBくんはママの腕を引いて駐車場のバスを見に行こうとしています。C先生は、バスを見に行きたいという気持ちを受容・代弁した上で「1番、ポーチで遊びます。2番、給食。3番、ホールで遊びます。4番、帰りの会でバスが見られるよ。」と先のアナウンスをしますが、納得いかずママに抱っこを求めて駐車場に行きたいと訴えます。その姿を予測していたC先生は、用意していたバスの写真カードをポーチのあちこちに置き「バスのカードを一緒に探そう!」と提案。Bくんはママや先生と一緒にポーチの中を歩き回りバスのカードを探すことに夢中になって楽しみ、クラスのみんなと一緒にポーチでの活動を楽しむことが出来ました。Bくんの行動を予測して気持ちを受け止め、やっても無害な代替案を提案して満足を作ったことが、Bくんとママの笑顔と成功体験につながりました♡
黒田 奈保
★“苦手なことも、これがあれば頑張れる!”の気持ちを作った、ママの成功エピソード!
「今日は予防接種にいくよ」と声掛けすると、それを理解して“嫌だ!”と泣くようになったというDくん。ママとパパはどうしようと考え、病院の近くのスーパーを下見し、Dくんの大好きなバスボムが売っていることを確認した上で、「今日は予防接種に行くよ。予防接種が終わったら、バスボムを買いに行こうね」と声掛けをしました。するとDくんは苦手な予防接種にもがんばって行くことが出来たそうです。どうしても避けられない苦手なことがある時に、内緒にしたりごまかしたり無理強いするのでなく、事前アナウンスで見通しを持たせて“これがあるから頑張れる”と思えるような楽しみを用意したことで、Dくんはそれを安心グッズとして苦手な予防接種を乗り切ることが出来ました。下見もして準備した、ママの愛ある作戦が大成功!!素晴らしいです!!
佐川 ゆり