きらめきの里・園だより≪エピソード集≫2019年11月
2020.10.26

11月は10月の行事の写真特集でエピソードのコーナーがお休みの月です。

そこで、HPに掲載していない、過去の園だよりのエピソードをお伝えします。

~2014年度 2月号~

子どもたちに関わる大人が、子どもたちの得手・不得手を理解した上で、子どもたちの思いをしっかり受け止め、様々な経験ができる機会を作り、発達を促していくのが楡の療育の基本です。

年中長のお子さんたちは、2~4年以上の継続した母子通園の経験をベースに、単独日も経験を重ねる中で、着実に成長を見せてくれています。

今月は、ぶどうクラスのお子さんのエピソードを交えたメッセージをお伝えします。

 

1. 感触遊びや、机上の活動が苦手で、一緒に何かを手に持ってしようとすると(何かさせられる!)と感じて目をつぶり逃避して、そのまま眠ってしまうこともあったAちゃん・・・。

そこで、手に触れるものの温度にも配慮し、苦手さの軽減のために硬さや感触を工夫した物などを用意して、お母さんと一緒に継続して活動に取り組んできました。

今年度になって突然、スライムに触れることを嫌がらず、自分から指を動かして遊ぶことができるようになり、触れる事ができる物の受け入れの幅もぐんと広がりました。

Aちゃんの代弁を続けてきた成果として、逃避せず「この遊びもいいか~」と遊んでみる事が出来るようになっただけでなく、嫌な時は、表情と発声で「嫌だ!」という思いを大人に伝えてくれるようになりました。

 

2. 自分で転がったり、ずり這いで移動することが上手になると、周囲の物や人を意識して見ることができるようになってきたBくん・・・

目の前にある玩具に手を伸ばすようになり、視野が広がり、お友達に向かっていくことが多くなりました。担任は、お母さんと一緒にBくんの思いを受容・代弁する事を継続し続けてきました。今では『泣く・ぐずる』事は、自分の確実な要求の手段になるとBくんは理解して、上手に思いをアピール出来るようになりました。

 

3. 自宅で寝返りが出来た時、お母さんがオーバーリアクションで褒めると、嬉しそうな表情を見せたCくん・・・。

お母さんが反対側に行き呼ぶと又、寝返りをし、又、お母さんはオーバーリアクションで褒める・・・を繰り返し、「褒められるとうれしい!」をCくんがしっかり表出できるようになっていることを実感したそうです。

また、机上の活動が苦手で、工房椅子にテーブルをつけると(なにかさせられる・・・)と活動に注目することをしないため、お母さんと一緒にCくんの好きな音楽や音の鳴る物を利用しながら、感触遊びなどの活動をすることを継続してきました。

今年度になって、突然スライム遊びの楽しさに気づき、自分から手を出して活動時間いっぱい遊び続けることができました。この日から、活動のセッティング場面から期待して、机上でスライムで遊ぶことを嫌がることがなくなりました。

「子どもが苦手だった事が受け入れられるようになるのは、『いつ』かは、わかりません。でも『いつ』か、わからないからこそ、同じ遊びを継続する事の大切さを感じています。また、同じ遊びの繰り返しのようでも、子どもにとっては、子ども自身の発達と共に、その遊びから受け取る楽しみ方・遊び方が変わっていく・・・とも感じています。子どもの成長・発達する力を信じて、子育て頑張りましょう!」        

保育士 高野 里美